2017.10.19

経営Naviより メキシコ情報

メキシコ経営ナビ “経営Navi”より

この度の地震災害で、メキシコシティー在住のローカル邦人が大量に帰国するかもしれないだろう。これは2001年9月のアメリカで発生したテロ事件や、2011年3月の東北地震災害時と類似点がある。非常時には精神的なケア、人との結びつきや連帯感が需要となるが、外国暮らしの若者にとって、精神的に不安で将来性が見えないことや拠り所がない等、身につまされる理由で、事件発生後、6ヶ月間で大量の邦人が帰国した。

この場合、メキシコ人の日西バイリンガル採用を急ぐ、西英バイリンガルを採用する、退職する社員の帰国時期の延長交渉、アウトソーシング、一時期駐在員を増員して補充するなどが考えられる。本件は、度重なる災害の不安材料を取り除くためにも、優先度の高い課題となる。

【メキシコでの人材育成や優秀な人材の獲得】

メキシコでは日西バイリンガルの人材争奪合戦が繰り返されている。このオーバーヒート現象は少なくともあと3年は続き、以降も継続的な人材不足が続くと予測される。日西バイリンガルはもともと絶対数が少ない上に、今後も急速に増えない。一方、企業進出は自動車産業のみならず他業種企業も、経済成長率の目覚ましいメキシコを初めラテン諸国に拡大し、人材ニーズは増える一方である。

募集数が増えれば、選択肢が増えた求職者にとって有利になり、求職者はその人材市場をよく知っている。転職ごとに年収が45%+増加となれば、ますます転職に拍車をかけ強気の転職活動が行われる。当社調べで、2014年のエントリー職の一社に在職年数は2年間(日本人)、1.5年(メキシコ人)だったが、2017年では約25%も短くなった。中間幹部クラスに対しても、ベネフィットを充実し給料の底上げしても、この数字はほぼ変わらない。日本の感覚からすると、これは驚く数字で、とりあえず次の転職に有利になる就職をしているように見える。

そもそも日西バイリンガル初任給が、2013年比較で32%上昇している。急激な上昇率と優秀な社員を採用するため、社員全員の給料を見直せざるを得なくなった企業もある。福利更生の充実、昇進・昇格への明確な基準、パフォーマンスレビューの頻度と透明性を高め、CRS企業の社会的責任の明示なども必要となってきている。OECDの統計ではメキシコ平均給料は日本と比較して40%と安そうだが、日西バイリンガル人材の相場は、日本比較の80%が現実的な数字で、実際「メキシコは人件費が思ったより高い。」という本音もよく聞く。