2017/07/12

夢は国際色豊かな大学をつくること

グエン フォック クゥイ トウオンさん

<プロフイール>
立命館アジア太平洋大学APU卒業生。APU在学中ベトナム文化を大分地域に発信するためのコモンベトナムの立ち上げメンバー。
現在、上智大学グローバルスタディーズ研究科2年。
復興支援のサークルソフィアボランティアネットワークに所属中。

ベトナム中部の古都、フエ市出身のグエンさん。上智大学グローバルスタディーズ研究科・グローバル社会専攻・比較日本研究コースに在籍している。現在は、就職活動も終了し、20184月から上智大学の専任職員として働くことが決まった。そんなグエンさんに、〈日本に来たきっかけ〉〈将来の夢〉など、話を伺った。

父が大学教授、母が大学の図書館勤務という家庭で育ったグエンさん。小さいころから「大学の教授になりたい」と思っていたそうだ。

グエンさん9

*上から2番目がグエンさん

 中学受験では見事に志望校に合格。当時、父親が学位取得のためオーストラリアに留学しており、送られてくるオーストラリアの文化・歴史の書籍を読むのが大好きで、学校では地理学が得意だったという。16歳の時、JICE(財団法人日本国際協力センター)が主催するJenesys21世紀東アジア青少年大交流計画)プログラム10人に選出される。そして、将来のアジア地区リーダーとして日本から招待をうけ来日。

16グエンさん

 *初めて日本に来日

 たった2週間の滞在ではあったが、この2週間がグエンさんの将来に影響を与えることとなる。

早稲田大学で開催されたセミナーに参加し、日本の高等教育機関が国際交流に力を入れ、今後、積極的に外国人留学生の受け入れを行うと知った。また、新宿西口で、宿泊していた新宿ワシントンホテルの行き方がわからず迷っていると、日本人のサラリーマンの人がホテルまで一緒に歩いて連れて行ってくれた。「日本人の考え方や生きる姿勢を学びました」とグエンさんは言う。

ベトナムに帰国後、ベトナム南部と中部地域の高校生が参加するコンテストで銀賞に、そして国で開催したコンテストでも4位入賞を果たした。こういった実績から、奨学金制度を利用することが出来、日本の大学の説明会に参加。そして、大学の面接などをこなし、立命館アジア太平洋大学に合格した。

 福岡空港に降り立ち、バスで大分県へ。物価も安いし、人もやさしく、とても住みやすかったという。大学ではメディアを専攻し、日本のドラマを研究。日本のコンテンツがアジアにどんな影響を与えているか。というテーマと向き合った。

日本のドラマはアジアでも多く放送されているという。どんな状況でもあきらめない。真面目で困難にも立ち向かう。問題を皆で解決していく。こういう日本人の勤勉な姿勢を、ドラマを通じて知ることで、日本製品がアジアで人気になるのも納得できるという。また、勤勉で厳しい日本の国に子供を留学させたいと希望する親世代も増えている。日本のドラマはアジア各国に良い影響を与えているとグエンさんは言う。

立命館アジア太平洋大学での思い出は何かと聞いたところ、別府市で国際交流イベントを開催している「べっぷはちグループ」の代表の方との出会いだと話してくれた。この方は留学経験や海外勤務経験豊富なトライリンガル。グエンさんが、ベトナム文化をもっと多くの人に知ってほしいと立ち上げた大学でのサークル活動に共感し、公民館や市役所などで地元の方との触れ合いの場を創出してくれた。そこで、ベトナムの遊びやベトナム料理などをテーマにした交流会を開催。

グエンさん5

*交流会の様子

グエンさん4

 *立命館アジア太平洋大学で活動したサークル「コモンベトナム」

 グエンさん8

 *立命館アジア太平洋大学の仲間たちと

 ベトナムだけではなく東南アジア諸国と日本との懸け橋になりたい。

こういった交流会を年に10回以上行う中で、グエンさんに芽生えた強い気持ちだった。「この代表の方のおかげです」更に、国際的な街づくり、国際色豊かな街の人たち。グエンさんにとって、「別府は第二の故郷」だという。

そんな中、別府での生活に慣れが出てくる。グエンさんは慣れた状況は良くないと常に考えていた。慣れてきたら次の目標を決める。例えば、日本語能力検定2級に合格したグエンさん、このままで良いのか更に上を目指すのか。2級は日本企業に就職できるレベルだ。しかし、グエンさんはその上を目指し1級に挑戦。合格している。そして卒業の時、このまま卒業し就職活動をするのか、もう一つ上を目指すのか?グエンさんは後者を選択し上智大学を受験した。今の状況に満足をしないで、常に上に目標を設定する。

これがグエンさんの生き方だ。

上智大学でも積極的にボランティアに参加した。現在もソフィアボランティアとして東北復興支援を行っている。金曜日の夜行バスで東北各所に向かい日曜の夜行バスで東京に戻ってくる。現地では、子供たちと一緒に遊んだり勉強を教えたり。また、高齢者の方の畑仕事も手伝っている。「畑仕事は作業が15分で45分はおしゃべりなんです。皆、話し相手が欲しいのです」とグエンさんは笑う。

グエンさん2

*上智大学で活動しているサークル「ソフィアボランティアネットワーク」東北でのボランティア活動 写真提供:特定非営利活動法人パクト

 

そして、夢は大学をつくること。アジアには、まだまだ貧しく、教育のレベルが低い地域も多いという。勉強をしたくても出来ない。留学をしたくでも出来ない人たちがたくさんいる。そういった環境でも国際色豊かな教育機関の教育を受けることが出来る大学をつくることが、今の目標。

今後は上智大学で働きながら、国際交流の懸け橋として、そして大学が行う国際的プロジェクトにも積極的にかかわっていきたいという。

グエンさんの夢の実現はこれからだ。

3グエンさん

*サークル「ソフィアボランティアネットワーク」のメンバーと小旅行

最新インタビュー

2017/07/12
グエン フォック クゥイ トウオンさん

2017/04/13
安 星 さんさん

2017/04/11
大島 嘉仁(おおしま よしひと)さんさん

2017/03/28
MAIKOさん

2017/03/13
株式会社アンカーマン        代表取締役 和田直人さん

バックナンバー